できもの(粉瘤等)
皮膚の下に袋状のものができ、中に角質がたまった状態のもので、おできと呼ばれるものが粉瘤です。アテローム、表皮のう腫、毛包のう腫などとも呼ばれます。体のどこの部分の皮膚にもできますが、耳の周りや首のうしろといったできやすい部分があります。中身は脂肪の塊と勘違いする方がいますが、古くなった角質で、表面に出てくるとくさい匂いがします。無理に絞り出すと炎症を起こすので、その前に受診してください。
粉瘤の治療は、炎症が強い場合には局所麻酔をしてから中身を出すように表面に穴をあけ、一旦炎症を抑える処置を行うことが多いです。炎症が収まった後に希望があれば袋ごと切除する手術を受けられます。
粉瘤と似たように皮膚の表面が盛り上がったように見える良性の腫瘍はいくつかありますが、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫といったものが多くみられます。見た目の診断だけで診断を確定することは難しく、部分的に切除する生検や、腫瘍そのものを切除する切除生検が必要になります。当院では病理組織診断を行うための顕微鏡を備えており、ほとんどの腫瘍の診断が通常よりも早く行われます。診断が難しいものにたいしては、外部の皮膚病理専門医の診断を行う体制となっているため、診断が可能です。