やけど
やけどはその深さによって3段階に分かれます。熱い蒸気や鉄板などに触れて起こるやけどが最も多いですが、湯たんぽやスマホ、充電器による低温やけど、高圧電流による電気熱傷など、特殊なやけどもときどきみられます。第I度熱傷では皮膚が赤くなり、水ぶくれを作ることなく1週間以内に痕を残さずに治癒します。第II度熱傷では水ぶくれができることが特徴です。真皮という部分までの皮膚に損傷がおこることでできるやけどで、真皮の浅いところまでの損傷にとどまる浅達性II度熱傷と真皮の深いところまでの損傷がおこる深達性II度熱傷に分けられます。浅達性II度熱傷では2-3週間でほぼ瘢痕(きずあと)を残さずに治癒しますが、深達性II度熱傷では治癒までの期間が3-4週間と長く、瘢痕(きずあと)になります。真皮を超えて深くまで損傷する第III度熱傷では、手術が必要なことが多いです。
湯たんぽを使う場合は、低温やけどとならないように60℃以下のお湯を用いて、バスタオル等で湯たんぽが直接皮膚に触れない程度の、ほんのり暖かい程度の使用にしてください。
やけどをしたときには、損傷した皮膚が余熱でそれ以上深く、あるいは広く広がらないように、水道水の流水(蛇口の水を出しっぱなし)でやけどの部分を20分冷やすようにしてください。保冷剤や氷を直接あてると、それ自体によって皮膚を余計に損傷するので流水で冷やしてください。やけどは最初に診察した時よりもあとから深くなることがあるため、小範囲で赤くなる程度以外では自宅で様子を見ないで受診してください。
やけどの部位や重症度によっては当院で対応できないことがあります。